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最近は女性がどっと社会へ進出し、就職戦線なども女子学生が男子学生にまじって賢明に活動していますが、いい会社に入りたいとか、出世したいという気持ちはまだまだ、男性のほうが圧倒的に強いものです。 男がなぜ家庭をほっぽり出してまで仕事に精を出すのでしょうか。それは好きだという生やさしいことではなく、同僚よりも少しでも上に行きたいという気持ちを持っているからです。 たしかにその闘争本能というべき意識がギラギラ外に出てくるタイプと、出ないタイプがいます。しかし、外見は飄々としている男だって、その心の奥底は似たようなものです。 「うちの亭主はグータラで、出世したいなんてこれっぽっちも考えていないわ」 そう思われるかもしれませんが、男の深層心理には間違いなく上昇志向があります。 たとえば、酒が強い、あるいは宴会の幹事をやらせると誰よりもうまいなどということも、広い意味での上昇志向のあらわれです。 これは突き詰めれば、どの分野であれ、人よりもすぐれた自分を確認したいという気持ち、つまり男のアイデンティティの問題なので、それを否定されると男は強い拒絶反応を示します。 男というのは、自分は強い、頼りがいがあるといわれたい。 根は気が小さく女性に甘えたいのですが、一方で、社会で認められたいという気持ちを強烈に持っているのです。 だから恋人がいても、もし重役が「娘をもらってくれ」といってくれば、その娘が好きでなくても、そっちを選ぶ可能性は高いです。 OL嬢が社長の息子から求婚された場合と比較すれば、おそらく断る確率が高いのは女性のほうでしょう。ですが、男の本性はそうではないのです。 もちろん、男がみんなそうだとはいえませんが、女が好きか嫌いかの感性で選択するのに対し、男はいいか悪いかの理性で選択できるのです。 最近の若者は、昔の男のように、ギラギラした欲望を表に出すようなことはあまりしませんが、だからといって上昇志向が希薄になってきたとはいえません。さりげないスマートさの中にも、上昇志向はしっかりと存在しているのです。 たとえば、他人からバカにされるようなタイプの女性を避けるのも、上昇志向の一つのあらわれです。 「あんな女にうつつを抜かしている」「趣味が悪い」といわれることで、自分の価値が下落することが耐えられないのです。 男性がこういう一面を持っていることはまぎれもない事実であり、それはつまらない男だけでなく、社会的、人間的に立派な男もそれを持っています。 だから女性は、「男はそういうものだ」とまず知っておくことが何よりも大切なことです。 |
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