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女性のタテマエは否定形で表現されることが多いです。ホンネはOKなのに、タテマエとして「NO」というかたちです。だから、「女のイヤよ、イヤよは、いいのうち」というわけです。 男性の場合は反対で、否定のホンネが肯定形のタテマエとなって出てきます。 「わたし、フランス語を勉強しようと思うの。どうかしら」 「それはいいことだ。やってみたら? ボクも応援するよ」 男は内心では、「NO」と思っていても、「そんなの、やめたほうがいいよ」とはまずいいません。「いいね」といいつつ、腹の底では別のことを考えているのです。 だから語学の勉強はともかく、男にも協力してもらわなければできないことがらを提案し、気軽に賛成してくれたが、あとになって、「じつはボクは反対だった」などといわれるのでは、女性はたまりません。 この男のいい加減さの被害をこうむらないためには、男が「YES」といった時点で、男の協力、責任分担などをはっきりとさせておくことです。 「ボクも応援する」というのなら、具体的にどのような応援をしてくれるのか、あるいは「一週間に一度は食事のしたくができなくなるから、出前のピザでいいかしら」などと、はっきり問いただして約束をとりつけておくことです。それが口先だけとわかったら、それで男のものわかりのよさの実態がわかるはずです。 結婚直後、妻にやたら理解を示す男がいます。長年つき合えば、女性もすっかり男性の本質が飲み込めるでしょうが、日が浅いと、そのへんの機微がよくわからないはずです。妻の提案や要望に「いいよ、いいよ」とものわかりのよさを示す夫が、じつは氷のような冷酷な男という場合も少なくありません。 なぜ「いいよ、いいよ」と簡単に理解を示すのかといえば、それは「いいよ」ではなく、「どうでもいいよ、勝手にやれば」なのです。体であれ、財産であれ、容貌であれ、女性に利用価値があると思う男は、「いいよ、いいよ」とやたらに女性に理解を示して利用しつくすのです。 結婚詐欺師が女性にとって魅力的なのは、目的を達したらあとは逃げ出すつもりの気楽さと、利用するための方便として、かぎりなくやさしく、ものわかりのいい男として振る舞うからです。 あとで責任をとるつもりのある男、本気で相手のことを気にかけている男は、何でもかんでも「いいよ」「わかった」とは決していいません。 あまりにもものわかりのいい男が要注意なのは、この点です。 |
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